行政による労働環境指導の実例の存在

医師の労働環境の改善には、医師のため、医療の質の維持のためであるとともに、医療機関自体のため、という側面もあります。
これも比較的最近の話なのですが、東京都のとある有名病院へ、行政の立ち入り調査(臨検)が入ったことが話題になりました。
結果はご想像頂いた通り、医師の労働環境のうち、法定勤務時間外の残業時間の長時間化が指摘され、これを是正するよう指導を受けているようです。
具体的には、過去に遡って未払いの時間外手当を正当に支給することや、労働基準法・労使協定を遵守すること、加えて宿日直を通常の時間外手当の対象と認めることなどの点を指摘されています。
その結果、この病院では立ち入り後に、「休日や夜間の救急外来及び病棟の診療体制の見直し」や「労使協定の締結」、また「休日及び準夜帯の救急外来の担当医の再検討」それに伴う「医師勤怠管理表の改定」、加えて「変形労働時間制の導入」「土曜の診療時間の縮小」等の具体策を講じ、医師の労働実態の改善に着手することになりました。
法律上、会社が法定労働時間を超えて時間外労働を命じる場合、労働組合などと協定を結んだうえで、事前に労働基準監督署に届け出なければならないなどと定められています。届け出をしないまま時間外の労働を行った場合、労働基準法違反として、懲役または罰金が科せられます。

経験上、これは、すべての医療機関で起こり得る問題だと考えています。なぜなら医師の基本的な勤務内容は、どこの医療機関であろうとそう大差はないからです。やはりこれからは、
特に医師の労働時間の問題は病院経営においては避けては通れない問題のようです。
ただし、そのために外来窓口の受付時間を減らしたり、受け入れ人数を減らすしたりするのはもちろん、勤務時の医師の疲労から起こる判断ミス、不適切な処置などの医療のサービスの質が低下しては本末転倒です。医療に置ける働き方改革とは大前提として安全性の確保も含めた「質」を維持していく必要があると言えるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です